Heaven ーヘヴンー
お気楽主婦「ふ〜にゃん」の趣味突っ走りブログ!

プロフィール

クリスタリア

Author:クリスタリア

メッセージボード

- Information -

★小説仕様の為、更新したものは一番最後のページにあります。
★この下欄に新作表示を設置しました。
★超・不定期更新です。

※昔書き溜めていた物を思い出しながら書いてます。  あくまでも自己満足。単なる趣味の世界ですw  鋭いツッコミはご容赦を・・・ww


-- E N D --
.
.

新作!

iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。
iframeを使用しています。

最近の記事

  • 【scene 29】〜決心・2〜 (05/12)
  • 【scene 28】〜決心・1〜 (05/12)
  • 【scene 27】〜記憶(リコレクト)〜 (05/11)
  • 【scene 26】〜SATISFY(充足)〜 (10/23)
  • 【scene 25】〜告白・4(カミング・アウト)〜 (08/18)
  • 【scene 24】〜告白・3(カミング・アウト)〜 (08/18)
  • 【scene 23】〜告白・2(カミング・アウト)〜 (08/17)
  • 【scene 22】〜告白・1(カミング・アウト)〜 (08/17)
  • 【scene 21】〜回復(リカバリー)〜 (08/12)
  • 【scene 20】〜癒し(キュア)〜 (08/08)

ぷかぷかレイちゃん♪

カレンダー

07 | 2008/08 | 09
日 月 火 水 木 金 土
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

リンク

  • IDENTITY (メイン・ブログ)
  • 管理者ページ

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索


Powered By FC2

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーサイト
2008-08-29 Fri 14:11
別窓 | | top↑
【scene 1】 〜兆(きざ)し〜
2006-06-01 Thu 11:58
と、ある街。

坂道を一人の少女が登ってくる。
制服を着ている。どうやら高校生のようである。

腰まで伸びる真っ直ぐな髪。
その髪が、かなり紅く見えるのは夕日だけのせいではないようだ。

反面、肌は透けるように白い。
凛とした顔立ちで、外人のようにも見える。


「ちょっと待ちな!真姫(まき)っ」

横道から少女に声がかかる。
声をかけた方は、5人程のグループである。

「またあんた達か。用は無いよ。」

いい加減にしてくれと言わんばかりの、投げやりな返事である。

「こっちには大ありなんだよ!」
声を荒げて、グループの1人が言う。こいつがボスのようだ。

「いつになったら、返事をくれるんだい?いつまでも1人ってわけにはいかないんだって教えたろ?」

「あんた達の仲間になる気は無いって!群れるのは嫌いなんでね。」
そう言い残し立ち去ろうとする真姫。

ズザザッ!!
勢い良く、手下達が道を塞ぐ。
その手には凶器が見える。

「・・・・ったく。得物がないと喧嘩も出来ないのかい?情けないね!」

「ふん!何とでも言いな。この状況でもまだ断るのかい?真姫。」
勝ち誇った様に言うボス。
恐らくこの状況で断った奴は居ないのだろう。

真姫は、ぐるっと視線を巡らす。
状況判断である。随分と場慣れしているようだ。



「何やら、揉(も)めておる様子ですじゃ。行かれますかな?」

さっきから、遠巻きに見ている2つの影があった。
1人は、老人である。が、その眼光は鋭くおよそ老人には似つかわしくない。

「いや。必要ないだろう。」
そう答えたのは、青年である。
軽くウェーブのかかった髪は、金髪。
染めていては、これほど見事な輝きは出ない。天然の物だ。
「これしきの人数にやられるわけは無い。手は出すな。」
「御意。」

この青年。かなり身分が高いようである。
細身ではあるが、しっかりと筋肉の付いた肢体(からだ)。鍛え上げているようにも見える。

「・・・・それに、まだ期が熟していない・・・」
低い声でつぶやく青年。
「焦ってはなりませぬぞ、ジーン様。取り返しが付かなくなりまする。」
諭すように老人が言う。

「判っておる!だからこうして監視しているのだろう?アレが暴走したら止められるのは私だけだ。」
「御意。したが・・・・」
「しっ!動いたぞ!」


ヒュンッ!ヒュン!
風を切って襲い掛かるチェーン。
それを、紙一重でかわす真姫。踊るような動きである。
かわすだけでは無く、敵の懐に入り一撃で動きを止める。
あっと言う間に静まり返る現場。

「くっ・・・・・」
形勢逆転である。あまりの速さに言葉を失っている様にも見える。

「さて・・・・・。もう帰っていいかな?これ以上は無駄だろ?」

そう言い残し、立ち去って行く真姫。

「・・・・・・」
唖然としていたボスが、不意に動く。
その手には開かれたバタフライナイフが・・・。

油断・・・・していたのかも知れない。
察知するのが瞬間遅れた。
ナイフの切っ先が、胸まで後数ミリに迫る。

バチバチバチッ!!
「ぐわぁぁ・・・・!!」

絶叫し、倒れているのは襲ってきたボスの方であった。

「な・・・・何だ?今の・・・・?」
茫然と立ち尽くす真姫。
「私が・・・・やったのか・・・??」


「ジーン様!見なされたか?」
老人が興奮したように話す。
「うむ・・・。兆しだな。近いぞ、グリュー。」
「ですが、良い兆しではありませぬぞ。今のは自己防衛。過剰反応もありえますぞ・・・。」
「だから、私がココに居るのだろう?大体において呼びつけたのはお主だぞ、グリュー。」
「御意。老いぼれの取り越し苦労じゃと良いのじゃが・・・・。」
老人は、心配が拭えないようであった。



別窓 | 自作ファンタジー | コメント:1 | トラックバック:0 | top↑
【scene 2】 〜メッセージ・1〜
2006-06-01 Thu 23:54
バタン・・・・。

疲れ果てた様子で、ドアを閉める真姫。

「さっきのは・・・いったい・・・・?」
リビングのソファーに倒れ込む。
「何なんだ・・・?」
そうつぶやきながら両手を見つめる。

「あぁーー!やめやめ!どうせ考えたって判らん!」
立ち上がり、服を脱ぎながらバスルームへ。

「あ・・・・・」
鏡に映った姿を見て、驚く。

「これ・・・・は?」

胸元に何やら痣(あざ)のような物が浮かび上がっている。
印し・・・紋章のようにも見える。
「何・・・?痛みも熱もないけど・・・・」
「さっきのやつとも関係してるのか・・・?」


「・・・・はぁー・・・」
「落ち着け。落ち着くんだ真姫。」
額に手を当ててつぶやく。

「考えたって判らないんだ。だったら考えるな!シャワーでも浴びてスッキリしよう!」

服を抜ぎ捨てる。
バランスが良い。そんな印象を与えるプロポーションである。
筋肉も脂肪も適度に付いている。

が。

一つだけ、信じられない程アンバランスな物が・・・。

右肩から左脇にかけて袈裟懸(けさがけ)のように走る3本の傷痕。
刃物による傷では無い。
むしろ獣の爪跡のようだ。所々引き攣(つ)っている。

何故、こんな惨(むご)たらしい傷跡が背中にあるのか・・・。
それを知るには10年ほど遡(さかのぼ)らなければならない・・・。



「パパ!今日はどこへお出かけするの?」
幼い頃の真姫である。まだ、5〜6歳位であろう。

「これ、真姫。後ろからしがみついたら、パパ運転出来ないわよ?」
「そうだぞ、真姫。事故ったらどうするんだ?」
父母のようだ。
だがこの親子、あまり似ていない・・・・。

「だって、お出かけなんて久しぶりなんだもの!ううん、お家から出るのが久しぶりじゃない!!」
そう言ってはしゃぐ。
無理も無い。山間の山荘にひっそりと身を隠すようにこの親子は暮らしていた。
そぅ、まさしく身を隠していたのである。
ある者から必死でこの娘を守っていたのだ。

「お前に逢わせたい子がいるんだ。」
父親が言う。
「え?お友達?ホント?パパ!!」
満面の笑みで答える真姫。
「えぇ、本当よ。とっても大事なお友達なの。」
母親が付け加える。
「嬉しい!!ねぇパパ。速く速く!!速くいこっ!」

峠道を急ぐ。
「麓の湖に行くんだ。もぅすぐだぞ。」
「うん!パパ頑張って!」

そう答えた瞬間であった。

「うわぁぁぁぁ!!!」
突然、目の前の崖が勢い良く崩れて来る。
父の絶叫と共に急ブレーキがかかる。

「きゃぁぁぁ!!」
真姫を抱きかかえ、身を呈して守ろうとする母。

ガガガガガガ・・・・
車は、フロント部分を土砂に突っ込む形で止まった。



「おやおや・・・・中々強運ですな。そのまま土砂に飲み込まれてしまったほうが良かったものを・・・。」

天井・・・いや、上空から声がする。

「お・・・お前は・・・・」
「久しいのぉ。ガイヤとリーン。やっと見つけたぞ。」
「・・・・ガルディアス!何故ここに・・・?」


別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
【scene 2】 〜メッセージ・2〜
2006-06-02 Fri 01:37
長い髪に長いマント。
黒尽くめの小男が浮かんでいた。

「何故?理由は判っておるだろ?」

すっと真姫の方を指差して言う。

「その小娘に成長してもらっては、我が君が困る。危ない芽は早々に摘み取るのが我が君の願いなのでな。」

「貴様・・・・。一人なのか?一人で私を倒せると?随分と見くびられたモノだな。」
そう答えながら、真姫とリーンを逃がそうとするガイヤ。

「いやいや、見くびってなどいませんよ?闘将と謳(うた)われるそなただ。私では倒せぬ。」

「ならば去れ!」
「それは出来ぬ。それに私では倒せぬ・・・と言ったのだ。」
ニヤリと笑いながら、手にした宝珠を掲げる。

「・・・召喚!まさかその宝珠は・・・・!」

宝珠を目にした瞬間、リーンが叫ぶ。
「いけない!!ガイヤ!!逃げてぇー!」

「遅いわ!!藻屑となって消えるが良い!!」

強烈な光がガイヤに向けて放たれる。
そして、光が消えると共にガイヤの姿も消えていた・・・。

「あ・・・あ。何てことを・・・。まさか召喚するなんて・・・」

召喚。そうあの宝珠は「召喚石」である。
光を浴びた者を、自らの中に吸収・消滅させるのである。

「さて・・・」

ガルディアスの視線は、リーンと真姫に向けられた。
リーンは真姫を後ろに庇う。

「この宝珠。便利なのだが1度使うと暫くは使えなくなるのが欠点だな。」
「もっとも、お前ら2人にこんな物は必要あるまい。」

マントの中から不気味な物が現れる。
獣・・・さながらヒグマのような毛深い腕と長く伸びた爪・・・。

「お前・・・・ニューマン・・・・?」

ニューマン。人と獣の混血の事を指す。

「だったらどうする?純血のお前達から見れば、醜(みにく)い生き物だろうなぁ。」

音も無く近づくガルディアス。
「あぅ・・・・・」

ズニュ・・・と、不快な音がした。
「逃げて・・・・真姫・・・。17になるまで・・・・逃げて・・・」

「あ・・・・あ・・・・・」
真姫の顔は見る見る蒼白になる。

ガルディアスの獣の腕が、ビクンビクンと脈打つ赤い塊を握っていた。

ドサッと崩れ落ちるリーン。
その胸元はぽっかりと穴が空いていた。

「いや・・・ぁ・・・・ママ・・・・」

ニターと笑ったかと思うと、その赤い塊を握り潰す。
グシャ・・・・と、鈍い音が・・・。

「さぁーて・・・後はお前だけだな・・・真姫。」

「いやぁ・・・・ママ・・・パパ・・・」
後づさるが、ここは崖の上。足場はすでに無い。

「ん・・・?」
ガルディアスの動きが止まる。足元を見る。

「この死人が・・・!!」

すでに息絶えているはずのリーンが、ガルディアスのマントを掴んでいた。

「無駄なあがきを!!!」
リーンに向かって爪が振り下ろされる。

「だめーーー!!!」

ザシュ!!

「きゃぁぁぁ・・・・・!!!」

真姫は、リーンに覆い被さった。これ以上母の体を傷付けたくなかったのだろう。
そして、真姫の背中には惨たらしい3本の爪痕がくっきりと付いていた。
大量の出血を伴って・・・・。

フラフラと立ち上がる真姫。
キッとガルディアスを睨(にら)み付ける。
その形相にたじろぐガルディアス。

「許さない・・・・・」
真姫がつぶやく。

「私はお前を許さない・・・・!!」

真姫の胸元が紅く光る。

「な・・・何を・・・・」
異様なオーラを感じ、すくみ上がるガルディアス。
「こ・・・これがそうなのか?この威圧感、何だ・・・・?」

すでに意識は無いはずである。
だが真姫はフラフラと歩んでいる。

「許さない・・・・許せない・・・・」

ガラララッ・・・・・
真姫の姿が消えた。

足を踏みはずしたのだ。
まっ逆さまに下へと落ちてゆく。

「・・・・落ちた・・・・か。」
安堵の表情のガルディアス。
「あれが我が君が恐れる力なのか?あのまま成長していたら・・・・」

崖下を見下ろす。

「この高さだ。いくらなんでも助かるまい・・・・」



だが、ガルディアスは気づかなかった。


下に叩き付けられる音がしなかった事を・・・。
別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
【scene 2】 〜メッセージ・3〜
2006-06-03 Sat 00:41
真姫の小さな身体が、地面から1メートル程上で浮かんでいた。
意識は無い。
顔色は蒼白、出血は未だ続いている・・・。

「遅かったか・・・・・」
「とにかく手当てを。死なせるわけにはいかぬ。」

そこには数人の男達が居た。
その男達を指揮する老人・・・
グリューである。

「老師!」

真姫を手当てしていた男が叫ぶ。

「何じゃ?どうしたのじゃ?」
「背中の傷を治そうとしているのですが・・・」

男達は、特殊な力を使う。
魔法、超能力・・・おそらくその類の力である。

「止血は出来ました。ですが、傷跡が消せないのです。」
信じられない・・・・。
そんな口調で話す。

「何をしておる。どれ、ワシがやろう。」
グリューが力を使う。
手から優しい光が広がる。
ヒール・・・癒しの力のようだ。

「・・・・・・」
渾身の力で治癒している。
・・・・が。
傷跡は消えない。

「・・・・拒んでおる・・・・」
グリューがつぶやく。
「信じられん。このワシの・・・・神官を司るこのワシの力を拒むと言うのか?」
「傷跡を消すな・・・と言うのか?この惨たらしい傷跡を残せ・・・と?」




「何という娘だ・・・・・」

その様子を伺っていた少年が言う。
「殿下。」

殿下と呼ばれた少年。
そう、ジーンである。
齢(よわい)15。だが彼の世界では立派な成人として扱われる。

「父母の仇を忘れない・・・という事か?自身が傷つくのは構わないと・・・?」

「殿下、如何(いかが)いたしましょう?ガイヤもリーンも失ってしまい申した・・。このまま連れ帰りましょうぞ。」

「それはならん!」
声を荒げてジーンが答える。

「今連れ帰っても、争いに巻き込まれるだけだ。それに幼すぎる!」
「ですが・・・」
「だめだ!私にはまだ力が無い!幼子を守れるだけの力が無い!!せめて後10年・・・いや、この子が17になるまでは連れて帰れぬ。」

「殿下・・・・」

「・・・・記憶を・・・書き換える事は出来るか?グリュー」
ジーンが訊(たず)ねる。

「暗示・・・と言う形であれば可能かと。記憶自体を弄っては人格に影響が出るやも知れぬゆえ・・・。」
「ならば暗示で良い。この子は今日事故に遭い、両親を失った。背中の傷はその時に出来たものだ。良いな?」

「奴らの目を欺(あざむ)けますかな・・・・?」
「欺くのさ!幸いガルディアスは真姫は死んだと思ったようだ。そのままそう思わせておけば良い。砂金を隠すのなら砂の中だ。大勢の中に隠せば良い。」

「ヒューイ!」
ジーンが一人の青年を呼ぶ。
「はっ。ここに殿下。」
「お前はこのままこの世界に残り、その能力で真姫を見守れ。手助けをするのは最小限の事だけだ。必要以上の事はするな。」
「御意、殿下。」

能力。
そう、ヒューイは彼の世界でも稀(まれ)な、ある能力を備えていた。

そういい残すと、ジーンは真姫の方に歩み寄る。
大切な物を慈しむように、そっと抱きしめる・・・。
「すまない、真姫。辛い思いを強いるがどうか許して欲しい・・・。」
祈るようにつぶやく。

「必ず迎えに来るから・・・必ず・・・!」
その言葉に呼応するかのように、真姫の胸元が紅く輝く。
その輝きの上に右の手のひらを重ねるジーン。
その手の甲にも同じ紋様が浮かび上がる・・・。

「この印しに誓う。お前は必ず私が守る・・・!!」


別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
【scene 2】 〜メッセージ・4〜
2006-06-04 Sun 23:03
「う・・・・ん・・・・」

ゆっくりと眼を開く真姫。
少しぼぉーっとしている。
暗示をかけられたせいか、出血のせいかは判らない。

「ここ・・・は・・・?」

あたりを見回す。
白い壁の小さな部屋である。
ベットが1つ、ベットサイドに小さな置き台、その置き台の上に電気スタンドが1つ・・・・。
あるのは、それだけだった。
その部屋のベットの上で真姫は眼を覚ました。

背中の傷は痛まなかった。
痛みに関しては、完璧な手当てのようだ。
ただ・・・・傷跡は残ったままだった。

「あたし・・・・?ここ・・・どこ・・・・?」

カチャ・・・と音とともにドアが開く。

「あぁ良かった。気が付きましたね?」
優しげな中年女性が話し掛けてきた。

「あな・・・たは?」
サッと壁に背を付けて真姫が聞く。
本能の成せる業であろうか?背を壁に付けたのは背後からの攻撃を
避ける為である。

「私は、マザー・アレーナ。この孤児院の院長ですよ。」
「孤児院・・・・?」

そう、真姫は孤児院に居た。

「あなたは、この先の崖崩落事故にご家族の乗った車ごと巻き込まれたのですよ。」
「事・・・・故?」
「そう、事故です。」
念を押すように、繰り返す。

「パパ・・・は?ママ・・・は?」
「おぉ・・・・・」
そう言うや否や、マザー・アレーナは真姫を抱きしめていた。
その動きに、隙は見当たらなかった・・・。

「気をしっかり持って聞くのですよ・・・・」
「・・・・・・」
「あの事故で助かったのは、あなただけなのです。」
「・・・・・・」

フッ・・・・と真姫の身体から力が抜けた。
そのまま、眠りへと落ちて行く・・・・。



ガバッ!!!
と、上掛けを跳ね除け(はねのけ)起き上がる真姫。

窓のカーテンの隙間からは、薄日が差す・・・。
その薄日が、殺風景な部屋を浮かび上がらせていた。

高校に入学した時点で、真姫は孤児院からアパートに引っ越していた。
マザー・アレーナの勧めだった。
自立を促したのであろう。家賃以外はアルバイトでやり繰りしていた。
贅沢さえしなければ、何とかやっていける・・・。

何も無い・・・・。
いや、必要最低限の物しか無い部屋だった。
年頃の少女の部屋とは、とてもいえない・・・。
女の子っぽい物は何一つ無かった。

その部屋の中で、
じっとりと脂汗をかき、肩で息をしている真姫。
「ハァ・・・ハァ・・・・ッ」
「な・・・何なんだ?・・・夢・・・??」

腕で額の汗を拭う。
「・・・・事故・・・・じゃなかったのか?」
「あの化物・・・あのビジョン・・・・何なんだ!!」

ダンッ!!
腕で壁を叩き付ける。

ふと、胸元に眼がいく。
「・・・・消えてる・・・・?」

あの紅い紋様が消えていた。

「どういうことだ・・・?私の身体・・・どうなっているんだ・・?」

もどかしかった。

何が起こっているのか全く判らない。
自分の身体なのに、他人事のような感覚さえある。

「誰か・・・・教えろよ!!!」

そう真姫は叫んでいた・・・。


別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
【scene 3】 〜覚醒・1〜
2006-06-05 Mon 01:23
「お疲れー!真姫ちゃん。今夜はもう上がっていいよー!」

アルバイト先の店長が、声をかける。

「良いんですか?まだ時間じゃないですよ?」
洗い物をしながら真姫が答える。

真姫は居酒屋でバイトをしていた。
身寄りの無い真姫を、何も聞かずに雇ってくれた店長に
真姫はすごく感謝していた。

「真姫ちゃん、今日顔色悪いよ?具合悪いんじゃない?無理しないでしっかり休みなさい。」
「・・・店長・・・。」

何気ない優しさが、嬉しかった。

「その洗い物終わったら、上がって頂戴。それと、はい!お弁当!ここに置くからねー」
「いつもすみません。店長。」

大きな店ではない。
こじんまりとしたアットホームな居酒屋である。
10人も客が入れば満席になってしまう。そんな店だ。

「入ってるのは今日の残り物ばっか!そんなに恐縮しないでって言ってるでしょ?」
「はい・・・。頂きます、店長。」


真姫が店を出たのは、24時頃だった。
繁華街から1本入った路地にその店はあった。
そのせいか、この時間では歩く人も疎らである。

「さて・・・。店長に言われた通り、帰って寝よ。マジ調子悪いや・・・。」

少し身体が火照っているような感じがする。
微熱でもあるのかも知れない。
そんな状態なので、いつもの感の鋭さは無かった。

後を、ギラギラした眼で付けている男達の存在を感知出来ないでいた。



「まずいな・・・・」

店の裏口から見ていたのは店長である。
「男どもに気づいていないな・・・。このまま襲われたら奴らが危ない。」
スー・・・と、店長の容貌が変わっていく。
現れたのは・・・・

ヒューイであった。
彼の特殊能力「変身」。
老若男女を問わず、色んな人物に変身出来るのである。
この能力で、彼はずーっと真姫を見守って来た。
幼い時は、マザー・アレーナとして。そして今はバイト先の店長として・・・。

「老師に報告しなければ・・・・。間に合えば良いが・・・!」



繁華街のはずれの路地をそのまま歩いていく。
その足取りは、時折フラ付いていた。

「なん・・だか・・・ダルイ・・・。」
「風邪・・・?今までひいた事無いのに・・・。」

公園を見つけ、ベンチにへたり込む。

「まいったな・・・・・。身体が言うこときかないや・・・。」
息苦しそうな表情だ。
やっと呼吸をしている・・・そんな感じだった。

「はぁ・・・・ここで倒れるわけにもいかんし・・・・」

再び立ち上がり、よろめきながら歩き出す。

急に背後に殺気を感じた。
いつもなら避けていた。だが今夜は違った。
振り向いた瞬間・・・・

「うぐ・・・・!」
ボディーに喰らってしまった。そのままうずくまる真姫。


「何だ・・・・チョロイもんじゃねーか!こんなのにてこずっていたのかよ?美佳!」
男の声の先に、1人の少女が居た。
以前真姫に絡んできた女ボスである。

「ほんと・・・。なんだい?真姫。えらく辛そうじゃーないか?」

真姫の髪を掴んで、話し掛ける。

「んー?どうしたぁ?何だよ随分身体が熱いな。具合悪いのか?」

あーはっはっは、と高笑いしながら美佳が続ける。

「暑いんだろぉ?涼しくさせてやるよ!」

パチンッと美佳が指を鳴らす。
数人の男達が真姫を囲む。

「暑いんだってぇ?じゃぁ脱いじまえよ!!」
男達が真姫の着衣を剥ぎ取っていく。
真姫は抗おうとするが、力が入らない。

「うわぁぁぁ!!!」
と、男の1人が叫ぶ。
叫んだ男は、真姫の背中を指差していた。

「うわっ!」
「げぇぇ!!」

口々におぞましい物を見た・・・と言う声を発する。

「な・・・何だよ、この傷・・・・」
「ば・・・化物・・・・!」

その言葉を聞いた瞬間、真姫の様子が変わった。

「お前、いま・・・何と言った?」

真姫にかかっていた暗示が、解けようとしていた・・・・。


別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
【scene 3】 〜覚醒・2〜
2006-06-12 Mon 10:31
「あ・・・・わわ・・・・く・・・来るな・・!」

男達はあとづさる。

真姫の髪が、紅く揺らめいている。
「今、何と言った・・・?」

そう言いながら、詰寄って行く。

怒り・・・そう怒りの感情のようだ。
自身の姿が半裸であるのも、気が付いていないかのようだった。

「う・・・うわぁぁ・・・・!」

男達の内の1人の体が浮き上がる。
「や・・・やめろ・・・やめてくれー!」
懇願(こんがん)するように叫ぶ男。

さらに男の体は上昇していく。
仲間達は一塊(ひとかたまり)になり、呆然と見ていた。

真姫の胸元の紋様が真紅に浮かび上がっていた。



「まずいぞ!急げグリュー!!」

ジーンは自身の手の甲に浮かび上がっている紋様を見て叫ぶ。
真姫とジーンの紋様はそれぞれ呼応しているのだろうか?
ジーンの紋様も真紅に発光していた。

「こちらの世界で覚醒させるわけにはいかん!」
「もう少し時間がかかると思っておったのじゃが・・・。」
「言い訳はよい!行くぞ!!」

フッ!!

ジーン達の姿が消えた。瞬間移動、テレポートである。



真姫の全身が紅く煌めいていた。
「・・・・・・・・・」
何か呟いている。

「・・・・ゆる・・・・さない・・・」

パリパリッ!
バチバチッ!
真姫の周りでスパーク現象が起きている。

「う・・うわぁ・・・助けてくれぇ・・・」

男達は情けない声で、訴えている。
美佳にいたっては、頭を抱え込んで丸まり震え上がっていた。

無理も無い。
普通に生活していれば、一生かかっても目撃出来ない現象を
目の当たりにしているのである。

辺り一帯の空気が振動している。
その振動は、真姫を中心にして徐々に広がって行く。

木々はざわめき、建物のガラス窓がガタガタと鳴り出した。

「ゆるさ・・・ない・・・・ガル・・ディアス・・・」
真姫の口からそう聞こえた。



「!!!」
ジーン、グリュー、ヒューイの3人は愕然とした。
「な・・・何てパワーだ・・・。」

「抑(ぎょ)しきれんかもしれんな・・・。」
ジーンの顔から焦りの色が伺(うかが)える。
「まだ覚醒してもいないのにこのパワーか・・・奴らが知ったら欲しがるな」
苦笑しながら呟く。

「ヒューイ、男達の始末を頼む。記憶は消しておけよ!」
「御意。真姫様に関わる一連の者の記憶、処理いたします。」
「グリュー、城に報告だ。このまま連れ帰るぞ!」
「既に出来ております。さ、お早く。」

ジーンは、楕円形のメダルのような物を真姫の頭上に投げた。
そのメダルは真姫の力を吸収し始めた。
召喚石の加工物のようである。溢れ出す力だけを吸収し無力化する。

・・・・はずであった。

別窓 | 自作ファンタジー | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| Heaven ーヘヴンー | NEXT≫
copyright © 2006 Heaven ーヘヴンー all rights reserved. template by 【Illustratorの裏技&デザインの裏技】.
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー FC2ブログ 専門学校